金属線ぴ工事とは、金属製の線ぴを使う工事で、その金属製の線ぴの中に電線を通して配線する工事です。
金属線ぴは幅5cm以下、肉厚0.5mm以上の樋(とい)で、中に電線を収めて敷設します。
≪ 目次 ≫
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1.金属線ぴの種類
金属線ぴには、「1種金属線ぴ」と「2種金属線ぴ」の2種類あります。
それぞれの特徴と用途についてご紹介いたします。
1-1.1種金属線ぴ
1種金属線ぴは、メタルモールジングともいわれています。
事務所などの室内でコンセントやスイッチを設置する際にケーブルを収める線ぴ。
壁や天井に露出配線できます。
1-2.2種金属線ぴ
2種金属線ぴはワイヤーモールドともいわれ、天井のない車庫や倉庫で照明器具を設置する際に用いられる線ぴです。
2.金属線ぴ工事で使用する電線
金属線ぴ工事で使用する電線は、屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外の絶縁電線になります。
2-1.電線の接続
電線の接続は、ボックスの中で行います。
※ 金属線ぴの中では接続してはいけません。
ただし、次により施設するときには金属線ぴ内で電線を接続することができます。
□ 電気用安全法の適用を受ける2種金属線ぴを使用する
□ 電線を分岐する場合であること
□ 接続点を容易に点検できるように施設すること
□ 線ぴ内で分岐された電線を外部に引き出す部分は、線ぴの貫通部分で電線が損傷するおそれがないように施設すること
3.金属線ぴの施工方法
金属線ぴの支持方法(固定方法)などの施工方法にも決まりがあり、次のようになります。
3-1.金属線ぴの支持方法
金属線ぴの支持点間距離(固定する間隔)は 1.5〔m〕以下 になるように敷設する。
3-2.金属線ぴとボックスの電気的な接続
金属線ぴ相互、金属線ぴとボックスは堅ろうに接続し、電気的に完全に接続する。
漏電などによる感電を防ぐことが目的で、金属線ぴを確実に接地するためです。
3-3.金属線ぴの接地条件
金属線ぴには、D種接地工事を施します。
使用電圧 |
300V以下 | 300V以上 |
D種接地工事 (省略できる場合がある) |
施工不可 |
□ 金属線ぴの長さが4〔m〕以下のものを施設する場合は接地工事を省略することができます。
□ 使用電圧が直流 300〔V〕以下または交流対地電圧150〔V〕以下の場合で金属線ぴの長さが
8〔m〕以下のものに簡易接触防護措置を施すとき、または乾燥した場所に施設する場合は
接地工事を省略することができる。