A.設備を導入するための一連の工事
設備工事とは、建築物で利用される設備を導入するための工事です。
電気やガス、水道、衛生設備など建築物の機能面において非常に重要な工事になります。
設備工事の目的
設備工事の目的は大きく分けて3つになります。
1.安全性
2.利便性
3.快適性
設備工事の目的 ①安全性
建物を利用する人の安全性を保つのが設備工事の目的の1つです。
例えば、地震が発生した際に誘導灯設備が整っていなければ建物を利用する人は、
どちらの方向へ避難すれば良いのか分からず困ってしまいます。
また、火事が発生した際にスプリンクラーが発動しなければ、火はますます燃えていき、
建物の利用者が危険に晒されてしまいます。
このような危険を排除するのが、設備工事の目的なのです。
安全性を保つ設備として、下記のような設備があります。
□火災報知器
□自家発電機
□セキュリティ(セコム・アルソック等)
□避雷針
設備工事の目的 ②利便性
建物利用者に利便性を提供するのも目的の1つです。
例をあげると、飲食店などに飛んでいるフリーWi-Fiなんかもそうです。
自由に利用できる電波がとんでいるという「利便性」を提供している訳です。
建物に入った際、電波が悪いや圏外というのは、不便ですよね。
このような、不便さの1つ1つを取り除いていくのが設備工事なのです。
利便性の提供として、下記のような設備が挙げられます。
□エレベーターやエスカレーター
□コンセント
□空調リモコン
□放送設備
設備工事の目的 ③快適性
建物を利用する上での快適性も設備工事の目的の1つです。
例えば、図書館へ行って勉強をしようと思ったが照明が暗すぎてノートが見えないのでは、
快適性が損なわれてしまいます。
このようなことが無いよう、設備工事で快適性を上げる必要があります。
快適性には3パターンあり、下記になります。
□空気
□光
□音
空気に関して、建物において「暑すぎる」「寒すぎる」となった場合快適ではありません。
これを改善するためにエアコンを設置します。
光に関しても、「暗すぎる」「眩しすぎる」では快適とは言えません。
その空間の目的に応じた適切な明るさや照明の色を選ぶ必要があります。
最後は音ですが、身近な例えをあげるとするならば、隣の部屋の住人がうるさかった場合快適ではなくなります。
このような不満を無くしていきます。
設備工事の種類
電気設備工事
建築物で電気設備を利用するための工事
ケーブルの配線作業や器具の設置などを他の工事の施工に合わせて工事を進めます。
空気調和設備工事
建築物の温度や湿度、気流、清浄度などを調整するための設備を設置する工事
適切な空気を保つための工事となります。
給排水衛生設備工事
水やお湯を供給する水道工事、トイレやお風呂といった使用済みの水を排水する設備など水回り全般工事
配管からシンク、便器の取付けまで行います。
昇降機設備工事・機械式駐車場設備工事
建築物の中の人や物をスムーズに効率よく移動させるための設備を設置する工事
エレベーターやエスカレーター、機械式駐車場など。
防災設備工事
災害や火災などの予防・避難・消化などを目的にした設備工事
ここで多いのは火災を対象にしたものです。建築物と建築物内の人の安全が守られるよう、
建築物の用途や規模に応じて法律でさまざまな義務があります。
設備工事の関連法規
□建築基準法
□消防法
□電気事業法
□電気工事士法
□電気用品安全法
設備工事には、関連法規が複数存在します。それらの法規にのっとって施工をしなければなりません。
また、関連法規は時代の流れと共に変化し続けており、常に新しい情報を仕入れておかなければならないのも、
設備工事の重要なポイントです。
設備工事の資格
□建築設備士
□消防設備士
□施工管理技士
□電気工事士
設備工事に関する資格は、上記のようなものが挙げられます。
設備工事において、資格がないとできない仕事が多数あり、資格の重要性はとても高いです。
設備工事について、初心者の方でもわかるように解説させていただきました。
今後、それぞれの設備工事についても詳しく解説していこうと思いますので、
是非、気になった設備工事がありましたらそちらをご覧いただけたらと思います。