電気設計をするうえで知っておくべきなのが、「電気シンボル」です。
仕様書や機器の配置を記載した配線図など、さまざまな場面で電気シンボルを目にする機会は多いでしょう。
電気シンボルの数はとても多く、日々の業務と並行して勉強するとなると
なかなか時間が取れないという人もいるのではないでしょうか。
しかし、電気設計に携わるのなら、電気シンボルの知識は欠かすことはできません。
では、電気シンボルとは何か、なぜ知識が必要なのかなど、
電気シンボルについてご紹介させていただきます。
電気シンボルとは
電気シンボルとは、電気回路図においてコイルやコンデンサ、スイッチなどの電気部品を模式的に表すために
使用する記号のことを指します。
日本では、電気シンボルの規格として「JIS C030 電気用図記号」が長い間使われていました。
しかし、この規格は「貿易の技術的障害に協定(不要な貿易障害を避けるため国際規格に沿って国内規格を策定することを定めた協定)」を順守していませんでした。
そこで、電気シンボルの国際規格であるIEC6017第2版と同一規格として、
新たに「JIS C0617 電気用図記号」が 1997 年と 1999 年の2年に分けて制定されました。
一般的にJIS C0301は旧JIS、JIS C0617は新JISと呼ばれています。
電気シンボルを知っておくべき理由
電気設計をするうえで電気シンボルの知識は欠かすことができません。
しかし、電気シンボルの知識が必要になるのはそのためだけではありません。
仕事をしていくうえで、スキルアップを目的に何か資格を取ろうと考える人は多いことでしょう。
電気工事士や電気主任技術者、電気工事施工管理技士など
電気関係の資格の取得を目指す場合にも、電気シンボルの知識は必須なのです。
電気シンボル 一覧
こちらでは、電気設備工事でよく使用されるシンボルについてご紹介いたします。
図の特徴と図記号については下記リンクより飛ぶことが出来ます。
※第二種電気工事士筆記試験出題範囲程度のシンボルになります。
■ 配線の図記号
■ 電線
■ ケーブル
■ 電線管・ダクト
配線の図記号
図記号 | 名称 |
意味 |
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐-‐‐ |
露出配線 |
短い線で書かれた線は、露出配線です。
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ーーーーーー | 床隠ぺい配線 |
少し長めの点線で書かれた線は、床隠ぺい配線になります。
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―――――― |
天井隠ぺい配線 |
実線で書かれた線は、天井隠ぺい配線です。
|
-‐-‐-‐-‐ | 地中配線 |
一点鎖線で書かれた線は、地中配線になります。
|
電線・ケーブル・電線管・ダクトの図記号
■ 電線
図記号 |
名称 |
IV |
600Vビニル絶縁電線
|
HIV |
600V二種ビニル絶縁電線
|
EM-IE |
600V耐熱性ポリエチレン絶縁電線
|
DV |
引込用ビニル絶縁電線
|
OW |
屋外用ビニル絶縁電線
|
■ ケーブル
図記号 |
名称 |
VVF |
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平型
|
VVR |
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸型
|
EM-EEF |
600Vポリエチレン絶縁耐熱性ポリエチレンシースケーブル平型
|
CV |
600Vまたは高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル
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CVT |
600Vまたは高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(単心3本のより線)
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■ 電線管・ダクト
図記号 | 名称 |
E |
鋼製電線管(ねじなし電線管) |
なし (数字のみ) |
鋼製電線管(薄鋼電線管) |
F2 |
種金属製可とう電線管 |
PF |
合成樹脂製可とう電線管(PF管) |
CD |
合成樹脂製可とう電線管(CD管) |
VE |
質塩化ビニル電線管(VE管) |
HIVE |
耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管 |
HIVP |
耐衝撃性硬質塩化ビニル管 |
FEP |
波付硬質合成樹脂管 |
MM1 |
1種金属線ぴ |
MM2 |
2種金属線ぴ |
F |
フロアダクト |
□⁻⁻⁻⁻⁻⁻⁻ LD |
ライティングダクト |
電気シンボルについて、ご紹介させていただきました。
日々の業務の中で時間を確保するのは難しいかもしれません。
知識の習得が最終目標なのはもちろんですが、まずは必要な知識がどこにあるのかを整理整頓しておくのが大切です。
パソコンのデータ上に情報をまとめておくことにより、必要なタイミングですぐ取り出すことができます。
見る習慣をつけることで頭にも残っていくことでしょう。