電気の流れ方には、大きく分けて『直流』と『交流』の2種類に分類することができます。
では、直流と交流では何が違うのでしょうか。
本日は、直流と交流についてご紹介していこうと思います。
直流と交流の違い
直流
直流とは、電気が導線の中を流れるとき、
その向きや大きさ(電流)、勢い(電圧)がずっと変化しない一定の電流のことです。
例として、電池に豆電球をつないで光らせたときに流れている電気は、直流です。
電気は常に一方通行で変化しません。
交流
交流とは、電気の流れる向きが時間の経過によって交互に変化し、
それにともない、電圧も変化する電流のことです。
例として、一般家庭で利用する電気は全て交流です。
コンセントから流れる電気や、電灯をつけている電気は、常に行ったり来たりを繰り返しているのです。
コンセントにさして使用する電気製品は、プラグをどちらの向きにさしても使えますよね。
これは、交流用の電気製品だからなのです。
静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を結ぶ線を境にして
その境より
東側が50Hz、西側が60Hzになっています。
メリット・デメリット
直流
メリット1:蓄電が可能
直流の電気はバッテリーなどの二次電池に充電することができます。
蓄電が可能という利点は現代社会において計り知れず、自転車からスマートファンまで、
さまざまな分野で使用されています。
メリット2:電流が安定しているので、そのまま電気製品に使用できる
電気がエネルギーとしての仕事を発揮するには、流れる方向がはっきりしている必要があります。
そのため向きを変え続けている交流電源はそのままでは電気製品を動かすことが出来ず、
変換器を通して一度直流に変換しなければなりません。
直流電源であれば、変換器を挟む必要がなくそのまま電気製品を使用できます。
デメリット:電圧変更が難しい
原理の説明は非常に専門性の高い分野になるため、当記事では割愛させていただきますが、
直流は交流に比べ、電圧の変更がしづらいとされています。
交流が簡単な変圧器で容易に電圧が変えられるのに対し、直流の変圧には大掛かりな設備が必要になります。
そのため、発電所から各家庭へ電力を供給する際には交流によるインフラを構築する必要があり、
これが後述の交流のメリットとつながっていきます。
交流
メリット:変圧が容易なためインフラの構築に適している
直流に比べ、交流は小規模な変圧器で電圧を変えることができます。
そのため、変電所を作りやすく発電所と住宅を繋ぐラインを構築しやすいというメリットがあります。
発電所から出発する電気の圧力が高いほど、効率よく遠隔地へと電気を供給することができます。
そのため、街の上空を網羅している電線の中は非常に高圧の電気が通っています。
当然、そのままでは家庭用電源としては使用できないため、
変電所を経由して家庭で使用できるレベルまで電圧を下げる必要があるわけです。
したがって地域ごとに変電所を設置することができる交流は、高圧による長距離電送に向いているということになります。
デメリット:電圧が安定しない
電圧を変えやすいということは、裏を返せば電圧が上がったり下がったりと安定していないということでもあります。
そのため、家庭で使用される電源の定格100Vを得るために、
100Vより高い電圧を流してブレ幅の平均値をとる必要があります。
具体的には、150V近い電圧を流さなけらばなりません。
100Vで稼働する電気製品でも、150Vを受け入れられる耐久力が必要とされるため、
設計上の無駄が生じてしまうことになります。
そのため、デリケートな機械では変換器を使用して安定した直流電源に変換するようにしています。
それぞれの使用例
直流
自転車・ノートパソコン・スマートフォン等
蓄電が可能で変換機が必要なく、また送電距離が非常に短いためバッテリ-内蔵した製品の
電気系統は直流で構成されています。
テレビ・ステレオ・PC等
密機器は動作に安定した電圧が必須のため、直流や交流を直流に変換する電源を使用しています。
交流
送電網(電力インフラ)
上述の通り、変圧しやすいという特徴は高圧電流でインフラに電力を供給する用途に適しているため、
発電所から各家庭のコンセントまで伸びる送電網は交流で構築されています。
扇風機・掃除機・電気照明等の家電
モーターで駆動する単純な機構の家電製品は、交流電源から直接電気を供給するものが今でも多く使用されています。
扇風機や掃除機には繊細な制御が必要ないため、多少電圧が上下してもあまり気にならないためです。
照明器具も同様の理由で交流のものが多く市販されています。