前回、エアコン取付の際に必要となる専用工具をご紹介いたしました。
>>> エアコン取付工具① <<<
本日は、引き続きエアコンの取付に必要な専用工具をご紹介させていただきたいと思います。
リーマー
銅管カッターで切断した断面を整形するのに使用する工具
どんなに注意を払って作業しても、多少のバリは出てしまうので、切断面の整形作業は欠かすことの出来ない作業です。
この整形作業で行うのは、主に切断面の内面のバリ取りと切断面そのものの整形です。
内面の整形は、切断面を滑らかな円錐状になるように行うのが基本で、
その際に、できる切断面のバリ取り作業を行うのが手順です。
接続配管の内面整形に使うのがリーマーです。
使用方法は、切断面に対して直角にリーマー部分を当て、回転させて切断面の整形を行います。
回転させるときに、力のムラがないよう均一にするのが、コツで
力にムラがあると切断面に凹凸ができ、ガス漏れの危険が増大するので注意が必要です。
また、必要以上に内面を削ってしまうとフレア加工したときにフレアサイズが小さくなり、フレア部分の破断などの
原因ともなりかねませんので十分注意が必要です。
ガス溶接機
エアコン取付工事で溶接と聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、溶接はかなり頻繁に行う作業なんです。
エアコン取付工事の溶接作業とは、冷媒管を繋ぐことをさします。
例をあげると、ビルなどにエアコンを設置するとき、1階に室内機を取付けて、室外機を屋上に設置するような場合、
冷媒管の距離が長くなるので通常短管と呼ばれる冷媒管を使用します。
一般的なペアコイルとは異なり数メートルの直線の銅管で、それを繋ぎ合わせて1本の冷媒管とするのです。
この際、冷媒管のジョイント部分を溶接します。
また、室内等の曲げ加工ができない場合は、曲げ加工のみを行った冷媒管を直線のものと繋ぎ合わせたりと
溶接作業は頻繁に行います。
ガス漏れ検知器
エアコントラブルの点検を行う際に、必要なのがガス漏れ検知器です。
『エアコンが冷えない』『暖房できない』などのトラブルは、冷媒管の接続部分や溶接部分からの微量の
冷媒ガス漏れが原因ということが多いものです。
エアコン取付工事の際に、真空ポンプを使用して真空作業を行い問題なく設置したエアコンでも日数が経ってから、
上記のようなトラブルが出る場合があります。
取付け時に、致命的な欠陥がある場合は真空作業で発見できますが、ごく微量のガス漏れの場合、
後々になってからトラブルにつながることがあります。
こんなとき、ガス漏れ検知スプレーなどでは、漏れる量が少ないため発見できないことが多いので
ガス漏れ検知器が必要になります。
1年で数gの微量なガス漏れまで検知できるガス漏れ検知器なら見逃すことはありませんし、問題箇所を確実に
特定して修理することができます。
チャージングスケール
エアコン取付やメンテナンスをするに必要なのがチャージングスケールです。
新しいエアコンを取付るだけなら、ほとんど使用することはありませんが、冷媒管の距離が規定の距離より長い場合や
高低差がメーカー指定よりある場合、冷媒の追加を行わなくてはならないのでチャージングスケールが必要となります。
また、冷媒ガス抜けトラブルの場合、内包されている冷媒ガスが残っていないということで、故障箇所を修理した後に
冷媒ガスの充填が必要となります。
以前のR22の場合、ボンベから直接室外機に繋いで、運転電流を測ることで、およその規定量がわかりました。
正確に充填するので、機械内の冷媒をシリンダーに移し、不足分をシリンダーで測って機械に充填していました。
R22冷媒の場合は、多少の不足や入れすぎでも、冷暖房能力にさほど影響はありませんでしたが、今のR410aや
R32等の場合は、少なすぎても多すぎても機械に余計な負荷をかけてしまい冷暖房能力を最大限まで発揮することが
できません。
内包する冷媒ガスの量は、機種ごとに細かく規定されており、その量を守らなければ機械寿命や電気料金などに大きな差が
出てしまいますので、冷媒ガスの補充や充填の場合、厳密は計量が必要になるのです。
そこで使うのが、チャージングスケールなのです。
エアコンダクトカッター
エアコン取付工事では、冷媒管の処理も大切な作業の1つです。
エアコンの取付では、一部窓用エアコンなどを除いて、大半のエアコンはセパレートタイプなので冷媒配管は
不可欠ですが、建物の外壁を這ってる冷媒管は見た目の良いものではないので、エアコンダクトを使って
スッキリ収めるようにすることも多いのです。
住宅に取付けられてるエアコンの冷媒管の多くは、テープ巻き処理です。
テープ巻き処理できっちりと取付けられていれば良いのですが、なかには斜めに配管されていたり、
蛇行しているような取付をされているようなところも見かけることがあります。
冷媒管の処理の大きな目的は、冷媒管自体の保護という目的があります。
屋外に設置する冷媒管は、常に紫外線や雨などにさらされてるので、保温材の劣化でエアコン本来の性能を発揮する
ことができなくなります。
それらを防ぐために行うのが冷媒管処理作業なのです。
そして、テープ巻き処理よりに比べ、エアコンダクトでカバーしたほうが、より紫外線や雨などの劣化要因を
減らすことができます。さらに、見た目の問題も解決できるので冷媒管もスッキリ収まりきれいな仕上がりになります。
エアコンダクトを使用して施工する場合には、エアコンダクトカッターが必須となります。
エアコン取付工具についてご紹介いたしました。
取付工事の内容にや取付けるエアコンの規模により使用する工具も異なりますので、
あくまでこちらで紹介しましたものについては参考までにご覧ください。