お盆休みを利用して、ゆっくりと本を読みました。
その本の中で、印象に残った考え方の1つについてご紹介したいと思います。
アルフレッド・アドラーという方をご存じでしょうか。
ユング、フロイトなど有名な心理学者と同様に1つの心理学の潮流を作った人物です。
世界では、ユング、フロイト、アドラー
心理学会の三大巨頭とされているそうです。
では、3人の違いは何でしょうか。
ユング、フロイトは「原因論」
アドラーは「目的論」
という理論をそれぞれ主張していたそうです。
原因論というのは、すでに起こったできごとに対し、「なぜ?」と過去を解明していく方法です。
主に、事件や事故の原因を見つけるのに適しています。
しかし、対人での質問には適してはいません。
一方で、目的論はすでに起こったできごとに対し、「どうすれば良いのか」未来を解明していく方法です。
例えば、”体重100キロの太った男性が、あなたの目の前にいる”とします。
この時、95%の人は「なぜこの人は太ったのだろう」
「カロリーの取り過ぎ」「運動不足」などと、太った原因を考えます。
一方、残りの5%の人は「太った目的はなんだろう」
「貫録を出したいから」「頼られたいから」「強くありたいから」などと、太った目的を考えるのです。
原因論的な視点を持った人だと、
「何ができなかったんだ」「他に何ができないことは無いか」「このままだとどうなる」と、
質問ではなく詰問になります。
一方、目的論で考えると「その○○は何ができたのか」「他にできたことはあるか」
「もっと上達するにはどうすれば良いと思うか」「では、今すぐできることは」と、過度なプレッシャーを与えずに
問題の解決へと目を向けることができます。
やっていることは同じでも、聴き方1つで相手に与える印象や、答えの出しやすさが大きく変わってきます。
決して原因論で考えるのがいけないということではありません。
仕事やプライベート、対人関係でも
原因を探り、改善していくことは、とても大切なことです。
しかし、改善するときに目的を考えていなければ、改善しようがありません。
今、行っていることの目的を考えることにより、ポジティブに効率良く物事を行うことができるのです。